FOODTOWNアドバイザー

加熱装置徹底解説!

加熱装置とは?

加熱装置とは、材料や製品に熱を加える装置です。
熱のかけ方によって製品の味や色、香り、風味などが左右されるため、品質向上を図るには加える熱の温度や時間の管理が重要になります。また夏場の時期に発生リスクの高い食中毒を引き起こす原因菌の多く(O157、サルモネラ菌)は熱処理によって死滅させることができます。

食品衛生法で多くの食材・食品に対して加熱処理などによる殺菌・滅菌が義務付けられており、法律上の基準を満たしながら、より美味しい商品を生産するために加熱装置が多くの製造現場で採用されています。
加熱装置の種類や選定ポイント、おおよその導入参考価格について解説します。

  • 加熱装置の種類、原理、使用用途について

    ・加熱装置の種類
    熱風や炎、スチームまたは電熱線など外部にある熱源によって対象物の表面から徐々に内 部へと加熱する「外部加熱」が一般的でしたが、近年は高周波誘電加熱やマイクロ波加熱、ジュール加熱などの対象物の内部から加熱させる「内部加熱」も普及が進んでいます。

    ・高周波誘電加熱
    高周波電圧を加えると、誘電体内に発生した双極子は反転して周囲の分子との間で摩擦を起こし、その結果、摩擦によるエネルギーは誘電体内で熱となります。 この誘電損失によって発生した熱によって誘電体を加熱します。

    ・マイクロ波加熱
    極超短波やセンチ波の周波数帯域(300MHz~30GHz)を利用し、発振器より電磁波を放射して高周波電界をつくり、そこに誘電体を置いて誘電加熱します。電子レンジはこの方式です。

    ・ジュール加熱
    食品に直接電気を流し、体積全体に流れた電気がすべて熱変換されて食品が自ら発熱する加熱方式です。

  • 加熱装置価格について

    加熱装置の価格に関わる大きな要素として、製品・食材の種類と処理能力、製品温度を何度で殺菌、移送するかといった
    要素が影響します。加熱装置参考価格としてジュール加熱装置、80度設定、処理能力300ℓ/分と仮定すると、約1500万円~1800万円となります。
    実際の価格は加熱方法の種類、製品の種類、処理能力をもとに見積が必要です。

  • 加熱装置の選定ポイント、導入時の確認ポイントについて

    選定ポイントについて
    ・製造する製品に適した加熱方法
    製品、食材によって適切な加熱方法を選択しなければ、食品の味や機能を損ねたりなど製品価値が下がってしまうことに直結します。

    ・前工程、後工程に適した装置仕様であるか
    加熱装置は工程間に組み込んで殺菌や加温を行うことが多いため、前後工程との適合が重要です。

    ・熱源をどのように得るか
    上述のように製品、食材によって加熱方法や適した熱源での加熱を行うことが重要です。

    ・処理能力(供給量)
    製品、食材によって必要な加熱方法、加熱時間が変わります。前後工程の能力と加熱装置の能力につり合いがとれたスペックになっているか確認が必要です。

    ・設置場所、設置可能スペース
    インライン形式で省スペース仕様の加熱装置もあるように設置場所の制約を事前に角煮にする必要があります。

  • 加熱装置導入後のトラブル事例、事前対策ポイントについて

    トラブル事例
    品種切替の際に加熱装置条件設定を切り替え忘れ、十分な殺菌効果の得られていない製品が生産された。

    原因①
    前後工程は品種切替時に設定変更を行ったが、加熱装置は後付けでの設置であった為、単独で切替が必要だった。
    原因②
    品種切替チェックとして、各設備が切り替わっているかの確認が不十分であった。

    対策①
    前後工程の設定変更とともに、加熱装置設定も同時に切替わるようにハード的に制御を行う。
    対策②
    品種切替チェックなどアナログで、ダブルチェックを行うなど、生産立ち上げ前に確認する体制に変更する。

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