騒音対策の種類について
壁材として使用する防音材は大きく分けて４種類あり、場所や用途に合わせて選定します。
吸音材
吸音材は空気中に伝わる音波振動を熱エネルギーに変換させることで音を減衰させる素材のことです。室内の反響音を軽減させる用途で使用する材料で、防音対策には欠かせない音を吸音する材料の一つです。

遮音材
遮音材は空気中の音波を遮る素材のことで、室外や外部などへ音を漏らさないように室内で跳ね返すことで遮音する材料のことです。麺密度、質量のあるものほど性能が高いという性質になります。

防振材、制振材
防振材は、衝撃を吸収して振動を伝達しないように抑止する材料のことです。
同じ性質を持った制振材とは、揺れを抑制して共振を減少させる材料のことです。どちらも振動を抑える目的で使用されるもので、防音対策において「音、振動」を抑制することによって大きく改善されることになります。

イヤーマフ
イヤーマフはヘッドフォンのような形状をしており、装着時に耳全体を覆ってくれる防音具です。
効果的に周囲の雑音を遮断するため、手軽に導入できる防音具として広く採用されています。

騒音対策使用用途について
・工場レイアウト変更の壁材への適用。
・騒音（８０デシベル以上）が常時発生している作業工程従事者。

騒音対策は部材、工事費を含めたことを指すため、価格については工事範囲、内容によって決まります。
騒音対策として使用される壁材のパネルは４０㎝四方で約３０００～４０００円程度からあります。
工事費用は足場の設置費用や、部材の運搬費用、防音対策費用などの合計となります。
騒音対策品として、イヤーマフは安価なもので約５０００円前後から導入が可能です。

目的に合った使用方法や設置場所に合った防音材を選ぶことが選定、導入のポイントです。
騒音の原因と、それに対する目的を明確にすることが重要です。原因ごとに対策内容も変わるため、具体例を出して説明します。

①騒音発生源への対策
発生源の低騒音化、発生原因の除去：低騒音型機械の採用、給油、部品交換など
遮音、消音：防音カバー、消音器、吸音ダクトの取り付け
防振、制振：防振ゴムの取り付け、防振材の装着を行う
機械運転方法の変更：装置の自動化、装置の配置変更

②受音者（作業従事者）に対する対策
遮音：パーテーションなどの囲いを設置する
作業方法の変更：作業従事場所の変更、作業工程順の変更
耳の保護：耳栓、イヤーマフ

トラブル事例
工場内からの音漏れに対する騒音対策は行っているが、製造現場外の装置で近隣住民からの苦情が発生した。

原因
工場製造現場外に設置しているごみ処理装置などは防音対策を行っていなかった。

対策
屋外で装置を使用する場合も同様に、騒音対策は行う。
ごみ処理機は臭いの発生リスクも伴うため騒音対策と兼ねて処理室を設けるなど設置状況に合わせて対策を行う方が望ましい。