噛み込み検査装置の原理
噛み込み検査原理にも複数種類があり、X線装置を用いた検査方法と画像処理による検査方法を例にします。
X線装置を用いた検査方法は、異物検査として使用するX線よりもエネルギーの弱いX線を用いて
噛み込み検査を行います。エネルギーの弱いX線を用いることにより厚みの薄いものに対する感度が
良くなるので包材フィルムなどが判断しやすくなるという検査上のメリットが出ます。

画像処理による検査方法は、包装機でシールした状態をカメラで撮像し数値化することにより
噛み込みが発生している部分の数値に変化が出るため、噛み込み異常品として判断します。

どちらの検査方法も包装機内に検査装置の据付が可能（確認は必要）でラインのレイアウトを変更せず
噛み込み検査工程を追加することが可能です。

他にもヒートシール部分の厚みを計測して噛み込み検査とする方法もありますが、検査の精度からすると
ヒーターブロックの接着圧で噛み込み異物も潰されてしまい異物を正確に検出ことが難しい場合もあります。

小スペースで噛み込み検査が可能なライン組み込み型
約３５０万円～４５０万円

包装機内などにカメラを設置して画像検査を行う装置
約４００万円～６００万円

内容物割れ欠け、個数過不足も同時に検査を行う装置
約６５０万円～７５０万円
上記金額は装置本体のみの参考価格です。設置には設置工事費用、ブラケットなどその他必要部品も必要になります。

噛み込み検査装置を検討する場合に、検査したい項目と予算、ラインレイアウトの設置スペースから
検討を進めていきます。
噛み込み検出に特化し省スペースで予算を抑えて導入を検討する場合は、ライン組み込み型のセンサーで
コンベアの継ぎ目に設置することができ導入が可能です。
噛み込み検査と同時に内容物の割れ欠けや過不足の検査も同時に行う場合には、X線検査装置と同様の
装置で行います。
検査項目の定義化をしっかりと行い、事前検査検証テストを行うことが必要です。

トラブル事例
嚙み込み検査装置を導入後、通常通り生産を行っていたが検査装置が機能していない。
（検査していない）ことに途中で気づいた。
嚙み込み検査装置は既存設備に追加で単体導入した。

原因①
嚙み込み検査装置が機能していない状態で生産が開始できる状態であった（インターロック制御なし）
原因②
生産開始時に動作確認を行うなど、機能していないことに気づく仕組みがない。

対策①
インターロック制御を入れて、検査装置が起動していない状態では前後設備が運転しないようにする。
対策②
毎生産開始時、テストピースを用いて検査精度が問題ないかを確認するチェックも設ける。