日報電子化の原理
日報の電子化を行う際はタブレット端末を活用したシステムが多くあります。
タブレットで作成された製造日報や各種記録類を生産管理システムに転送、登録しておくことで日付と数値のみを打ち換えた記録を日々印刷する手間を省くことができます。また、日報の承認スキーム
も電子化の為、探す手間が省け、大幅な労務費の削減が期待できます。

日報電子化の使用用途
食品工場では各工程ごとに品質や設備の点検表やチェック表が設けられています。
全工程の記録表を電子化することも可能にはなります。ただし、限定的に導入を行い生産性を確認して採用幅を広げていくことも手段の一つになります。

原材料荷受工程：荷受日、原材料使用期限、荷受時の天候、温湿度、運送トラック状況など
原料混合、製造工程：生産日、生産時の温湿度、バッチごとの条件、設備停止記録、サンプルチェック結果
包装、ケーシング工程：生産日、生産立ち上げ前の点検結果、設備停止記録、調整記録、サンプルチェック結果
物流、製品保管工程：生産日、保管倉庫の温湿度、出荷予定日、保管庫エアコン点検、生産数

日報電子化の価格は導入する工程の範囲、電子化する項目や内容といった仕様に沿って決まっていくため食品工場の各現場、各工程によって価格は違い、オーダーメイド型の仕様になる場合が多くなります。
ある工程の点検を委託し、点検記録を電子化するといったサービスもありますが、サブスクリプション版で年単位のライセンス料として約５～１０万円といった内容もあります。買切りのオンプレ版の場合は、数十万円～数百万円と日報の量や契約者数によっても大きく変動します。

日報電子化の選定ポイントについて
・目的、管理ポイントの明確化
日報を電子化することによって得たい成果、導入の目的を事前に明確にしておく必要があります。
導入の目的は、入力作業の省力化、工程作業効率、生産性を向上させたい、転記ミスなどのヒューマンエラーを
減らしたいといった目的を明確にすることによって、電子化システムの仕様コンセプトが決まります。　

・電子化システムの使用環境
日報を電子化することによって業務は効率化、省人化達成後、一定期間運用していた際に製造現場が高温多湿だったこと、
粉塵の舞う環境だったことからタブレットが破損してしまうなどの状況にならないために事前に確認が必要です。

トラブル事例
日報にチェック項目の情報を追加する際に自社では追加できず、追加費用が発生した。

原因①
日報を電子化する目的、管理ポイントの整理が行えていなかった。
原因②
日報を電子化する際に、メーカーにオペレーション教育を受けていなかった。

対策①
導入目的、管理ポイントを明文化、具体化し、何の情報を何に活用するという細部まで落とし込む。
対策②
メーカー選定の際には、アフターサービスやシステムの操作性なども考慮し検討する。