FOODTOWNアドバイザー

ロボットハンド(パッケージ含む)徹底解説!

ロボットハンド(パッケージ含む)とは?

ロボットハンドとは、「ハンドエフェクタ」とも呼ばれるロボットアームの先端に取り付けて作業を行うものです。
ロボットハンドの他にも、グリッパ、ハンド、チャックなどと呼ばれる場合もあります。ものを掴む、吸着する、ねじを回す、組み立てるなどの用途で多く使われています。近年では、触ったときの感覚を電気信号に変換する触覚センサー搭載のロボットハンドも登場しています。 野菜や果物などの、個々で柔らかさの異なるものも掴めるようになり、人の指先に近い繊細な作業も可能になりました。
ロボットハンドの種類、選定ポイント、トラブル事例について解説します。

  • ロボットハンドの種類、原理、使用用途について 

    ロボットハンドはいくつかの種類に分けられますが、主に食品工場で利用されるのはグリッパと吸着ハンドです。
    グリッパは、UFOキャッチャの先ような部分でものを挟んで掴むハンドです。2本爪や3本爪、4本爪などのタイプがあり、扱うものの形状や材質に合わせて、指先の形状やものと接触する部分の素材を変えることもあります。
    吸着ハンドは、吸着パッドでものを吸い付けて持ち上げるハンドです。吸着パッドが空気を吸い込み真空状態を作り出すことで、吸着を行います。
    種類によって電動真空ポンプが一体になっているものもありますが、そうでない場合はエアコンプレッサーを用いたエア制御装置が必要です。

  • ロボットハンド価格について

    ロボットハンドの価格は、対象製品によって把持力、剛性、防水性能といった要素で変わります。
    食品の種類も様々であるため、専用部品として選定することになり、価格は約10万円~程度からあります。
    ロボットハンドのみで使用することはできない機器となるため、ロボット導入時に入念にテストを行うことが重要です。

  • ロボットハンドの選定ポイント、導入時の確認ポイントについて

    ロボットハンドの選定基準には、重量、形状、品種、柔軟性・材質、保守性、搬送速度、があります。

    「重量」
    ロボットハンドが保持できる重量は、ものによって異なります。重量のほか重心位置にも考慮しましょう。

    「形状」
    ワークの曲面や接着面の形状、穴の有無を考慮して、ワークに合ったロボットハンドを選定しましょう。

    「品種」
    同一のラインで材質の異なるワークを扱う場合には、使用するロボットハンドの汎用性や互換性にも考慮しましょう。

    「柔軟性・材質」
    ワークの固さや材質によって対応できるロボットハンドが異なります。やわらかい材質だと、掴んだときに傷が付いてしまったり、吸着時の跡が残ってしまう可能性があるので注意が必要です。

    「保守性」
    生産効率を考えると保守性も重要になってきます。吸着ハンドの場合、フィルターが詰まったりパッドが摩耗で傷んでしまいます。磁力を利用した吸着ハンドの場合経年劣化により磁力が弱くなってしまいます。

    「搬送速度」
    生産ラインに対応した速度を有しているかも重要な選定基準です。ロボットハンドの搬送速度が遅れてしまうとライン全体の生産能力が低下することになってしまうので考慮しましょう。

  • ロボットハンドに関するトラブル事例、事前対策ポイントについて

    トラブル事例
    ワークの質量を元にハンドの把持力の計算を行い選定したが、
    実際の生産ではワークを搬送途中で落下させてしまうケースが多発した。

    原因①
    ロボットの使用環境が考慮されていなかった。
    原因②
    ワークの状態個体差を把持した状態でどの向きに動くかを加味してハンドの選定を行っていなかった。

    対策①
    実際の使用環境と合わせた環境でのテスト結果を反映させ、選定根拠とする。
    対策②
    使用環境と同様に、計算と把持の可否のみではなく生産状況の再現をできる限りしてテスト検証を行う。

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