・自動開梱装置の種類について
　ロボットを活用した自動開梱装置
　多関節ロボットやスカラロボットを活用して段ボールの開梱を行うタイプです。
　段ボールの様々な封函方法に対応できる点や、複数品種を同時に流しても形状を判別しながら
　開梱が可能であるといった特徴があります。
　
　特定の段ボール専用設計の自動開梱装置
　ロボット等を活用せずに段ボールの開梱から内容物の取出しを行うタイプです。
　テープのカット方法、開梱を行う品種数の登録、サイズチェンジ許容範囲などを考慮する必要が
　ありますが、導入度のメンテナンスや調整などが容易になるケースもあります。

・自動開梱装置の使用用途について
　主に物流工程の出荷口や、原材料の荷受け～原料投入工程で導入が進んでいます。
　段ボールを自動で開梱するだけでなく、開梱するレーンへの供給としてデパレタイザー
　（パレットなどから荷物を取り出してコンベアなどに供給すること）との組み合わせや
　開梱後の内容物の取出す工程も併せて自動化することにより省人化を実現しやすくなります。

段ボール開梱装置の導入参考価格としては約2,000～3,000万円程度が多くなります。
段ボールの開梱部約2,000万円、内容物の段ボールからの取出し部約1,000万円といった参考価格となります。
自動開梱装置は段ボール開梱部への製品供給、段ボールの開梱、内容物の取出し、段ボールの処理までの
一連の工程を指すため、製品や導入工程のレイアウトにより仕様は異なります。
装置の参考価格であるため、装置運搬費用や設置工事費用などは別途必要になります。

・段ボールの開梱（カット）方法
　段ボールの封函方法は様々です。テープで封函されている場合でも長辺１本（I貼り）、長辺短辺２本（H貼り）
　と種類があります。他にも糊付けされている場合、食品工場ではあまり採用されていませんが針（ステープル）で
　封函されている場合もあります。封函方法によって開梱方法は異なります。

・タクトタイムは間に合うか
　段ボール開梱を行う前後工程との能力バランスが取れているかの確認が必要です。
　段ボールの開梱を自動化しても後工程への供給が遅くなりボトルネック工程となるケースもあります。
　
・異物混入対策は取られているか
　段ボールをカットした際に内袋までカットしてしまう場合、段ボールカット後の紙粉が混入してしまう
　可能性もあるためサンプルでのテスト時に確認しておく必要があります。

トラブル事例
自動開梱機を導入検討する際に段ボールのカットテストを行っていたが、導入後に複数品種の生産を行った際に
段ボールの切れ具合が悪く、段ボールの破片が異物化してしまう品種があった。

原因①
複数品種で段ボールをカットすることは事前に分かっていたが、全ての品種でカットテストを行っていなかった。
原因②
複数品種で段ボールの厚みや内容物の重量によって使用している段ボールの仕様が違うことを理解していなかった。

対策①
対象工程を自動化する際は、対象となる品種や原料全てでテストを行い、異物化や稼働率に問題が出ないか確認する。
対策②
原料仕入れ元ごとに段ボールの仕様が違わないか、段ボールの厚みやフラップの形状など特徴を理解しておく。